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*アクセサリー作り、旅行、スイーツ・・・大好きなものと日々の出来事*
涙腺のゆるむ本と映画
GWもあっという間にな~んにもしないまま終わり・・・またあわただしい日常が再開しました。
今回こそは大々的に家の片付けをするつもりだったのにな~~~~・・・とりあえず冬用の衣類や毛糸の在庫を倉庫代わりの実家に持っていったくらい
ほんとにダメダメな私です(^◇^;)>

そんなGWでしたが、とりあえず手っ取り早く遊ぼうと映画を見てきました
最近は映画の原作本をよく読んでいるので今回のブログは最近読んだ本と映画についてちょっと書きます(´ー`)

八日目の蝉

八日目の蝉 角田光代
八日目の蝉 角田光代  中公文庫

【あらすじ】
 妻子ある男性の恋人になり、子どもを身ごもった希和子。
「もう少ししたら離婚するから」と言う男の説得によって堕胎したが、子どもが産めない身体になってしまった。
同時期に男の妻が妊娠し、男は離婚などする気はないと知る。
夫の浮気を知った妻からの嫌がらせが続き、思い余った希和子は堕胎した子どもの代わりに妻の子を誘拐してしまう。
逃亡生活を続けながらこども(かおる)を育てる希和子。4年後、ついに逮捕されて子どもと離されてしまう。
 4歳で親元に帰された恵理菜(かおる)。
はじめは大好きだったお母さんと離され、実の父母になじめなかったが、母親につらく当たられながらもなんとか誘拐事件を忘れて成長し、大学入学と同時に家を出てアルバイトで生活をしていた。
恵理菜もまた、妻子ある男性との間に子どもを身ごもってしまう。
そのころ恵理菜の元に千草と名乗る女性が訪れ、誘拐事件について取材をしたいと申し出ていた。
子どもを生むことを決意し千草と共に過去への旅に出る恵理菜は最後の隠れ家のある小豆島までやってきた。


本読みのともだち、Mさんに薦めてもらって読んだ本です(=^_^=)
角田光代の作品は「対岸の彼女」「キッドナップツアー」など、何冊か読んだことがありましたが淡々と進んでいく文章のなかにそれぞれなにか考えさせられるものがある感じでした。
この「八日目の蝉」についてはTVのインタビューで角田光代さん本人が、
「母親と子どもについて、自分の産んだ子ではない子を育てて親になり得るのか、本当の母親は幼少時の子どものそばにいなくても心のつながった母親となれるのかを書きたかった」と言ってました。
ふうんなるほど・・・
「八日目の蝉」の中では誘拐した希和子の方が逃亡しながらでも偶然が重なってなんとか乳児の子どもを4歳まで育てることが出来、いつか捕まって子ども(薫)と別れる日が来ることにおびえながらでも精一杯愛情を注いでいる完璧な母親に近づくことが出来たように思えました。(逆に産みの母親はダンナの浮気にあてつけて浮気するし、嫌がらせもする、帰ってきた子どもの世話をあまりしない母親になってしまっていた。)
そういう意味ではやっぱり育ての母が勝利したということなのかな。

映画も観ました。号泣です!( iдi )
物語はやはり淡々と進むけれど最後はもう泣けて泣けて・・・・ティッシュ使い切りました
キャストは希和子に永作博美、恵理菜(薫)に井上真央でした。よかったですよ!
子役の子も似た感じでかわいかったです。
不実な男の役に劇団ひとりが出ていたのがちょっとわらえました☆
映画は原作と最後が少し違いましたが、映画の方が泣けるようにつくってありました。
中島美嘉の主題歌も涙誘いました~~(πーπ)

八日目の蝉オフィシャルサイト



まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん
まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん 文春文庫

これは本屋さんで表紙に松田龍平の顔が見えて(けっこー好きなの)なんとなく手にとってみた本です。
都会でも田舎でもないまほろ市。(町田市がモデル)
そこで便利屋をしている多田(瑛太)と、そこに転がり込んだ中学時代の同級生行天(松田龍平)。
この2人はそれぞれの辛い過去を隠しているが、便利屋の仕事をしていくうちに反発し合いながら、依頼人や周りの人たちに振り回されながら、少しずつ人とのかかわりの暖かさを取り戻していくといったお話かな。
淡々としているけどほんわりしてて、読み心地のいい本でした(´ー`)

映画も同じように進んでいくけれど、ところどころのはしょりもあるし登場人物(主に多田)の心情が原作が一人称の本だから映画で全部表すのは難しいのかな~と思いました。
でも俳優さんたちは熱演で、瑛太はよかったな
多田の過去を告白する部分はいい演技でした!
松田龍平も役作りがおもしろかった!
行天は難しい役どころだからどんな風に演るのかな~と思ってたら私が知る松田龍平のイメージとはちょっとちがったエキセントリックさがありました。とくに走り方が笑える~~(^u^)

映画も本も淡々としているので物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、私にはけっこうよかったです(=^_^=)




青い鳥

青い鳥 重松 清
青い鳥 重松 清 新潮文庫

これは泣けました!泣けて、こころ暖まるいいお話でした(πーπ)
この本も本読みともだち、Mさんの「涙腺がゆるむ本」というオススメがあって読みました。

短編の連作の構成になっていて、どの話もそれぞれ違う中学生が主人公なのですが、そこにかならず出てくる先生がいます。その先生は「村内先生」といい、中年のおじさんの臨時教師です。

村内先生は「どもり」で、話すとカ行とタ行と濁音がかならずつっかえる国語の先生。
だからいつも自己紹介で「先生は上手く話せません。だから大事なことしか話しません」と言います。
ほとんどの生徒たちはみんなそんな先生をバカにしたり無視したりしますが、その中にほんのすこしだけ先生の真剣な気持ちややさしさがわかるようになる生徒がいます。
そんな生徒はたいていは皆になじめなかったり、家庭に事情をかかえていて苦しい思いをしている生徒たちです。
悩みをかかえて苦しんでいる生徒たちに「君もひとりぼっち、先生もひとりぼっちだけど一緒にいるからもうひとりぼっちじゃない」と気づいてもらうためにやってくる先生なのです。
作者はあとがきで村内先生は「ヒーロー」だと言ってましたが、まさにそのとおり。生徒たちの聞こえない悲鳴に耳を傾け、救い出す先生でした。

ひとつひとつの話があたたかくて、涙がとまらなかったりほほえましかったりするいい本でした。
紹介してくれたMさんに感謝です(=^_^=)
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【2011/05/11 00:31】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(0) |
最近のハマリ
最近なぜかむかしの本や音楽に再ハマリしてます~(//∇//)


ケインとアベル 上・下 ジェフリー・アーチャー 新潮文庫
ケインとアベル ジェフリー・アーチャー

20年も前から大好きなジェフリー・アーチャーの代表作、「ケインとアベル」を最近読み返しました。
自分の実家の書庫にあると思い込んでいたのに見つからなくて・・・仕方なく最購入。
でも表紙は以前と変わりありませんでした。

私が初めてジェフリー・アーチャーの本を読んだ最初がこの本です。
はじめは海外作家なのでとっかかりにくいかな~なんて心配でしたがぜんぜん大丈夫でした!
テンポの良い流れで主人公2人(アベル・ロスノフスキとウイリアム・ケイン)の波乱万丈なサクセスストーリーの展開で、再読にもかかわらず読み始めるとおもしろくて止まらない~~~
だいたいいつもお昼休みや電車内とかのちょっとした時間に本を読んでいるのですが時間が来るのが残念でf(^^;)

読みやすいといってもあまり軽い物語でもなく、時代背景や政治・金融の背景もしっかりしててさすが議員経験もありながら、詐欺に合って全財産を失くし、その経験を生かして小説家に転身、その後刑務所にも入った経験のある波乱万丈な人生を送っているアーチャー自身の底深さが見える小説でした。

【あらすじ】
 ポーランドの片田舎に孤児として生まれたヴワデクは貧しい猟師一家に引き取られて育つが小さいころからのその聡明さを買われて男爵家の息子の学友兼使用人として雇われる。
そこでもさらに頭の良さを表し、男爵や子息からも深く愛されるようになる。
そんな折、第二次大戦でのドイツ軍侵攻により男爵の城は占拠され、男爵や使用人たちと共に地下室に数年閉じ込められるが、ロシア軍によって解放される。しかし、姉のフロレンティナや男爵家子息は殺され、実の父親だったとわかった男爵も衰弱死してしまい、行き残った使用人たちと共に強制収容所に入れられてしまう。
何とか脱出したヴワデクはさまざまな人の手助けを得てアメリカに渡り、男爵の名前「アベル・ロスノフスキ」と改名する。
 一方、銀行家の祖父と父を持つウイリアム・ケインは代々銀行家のエリートとなるべく生まれ、周囲の期待に応えてハーバードを主席で卒業する。幼いときに父が海難事故で死に、ハーバード在学中に再婚した母親も亡くなってからも父親のような銀行家になるよう努力してきた。卒業後、父親が頭取であった「ケイン&キャボット銀行」に取締役として投資担当の仕事につき、数年後の頭取交代に備えていた。
 この正反対な生まれ育ちの2人が皮肉な運命のもと出合うことになる!


とまあこんな感じです。
下巻ではさらにケインの息子リチャードやアベルの娘フロレンティナが登場してさらにおもしろくなってきます!

それにしても、この物語に出てくる主要登場人物はみ~~んなすごく頭がいい人ばかり。
当たり前のようにハーバードやラドクリフを主席で卒業しちゃうし。うまいこといきすぎるか?なんてこともあるけど、頭脳を駆使して駆け引きしたり敗北しても復活したり・・・二十数年もまえに描かれた物語なのに今でもおもしろさが色褪せないです

ロスノフスキ家の娘 上・下 ジェフリー・アーチャー 新潮文庫(現在絶版)
ロスノフスキ家の娘 ジェフリー・アーチャー

ケインとアベルの続きでもあるこの本の主人公はタイトルのとおりアベルの娘、フロレンティナ・ロスノフスキ。
アベルの頭脳と美貌をあわせ持ったフロレンティナがアメリカ合衆国大統領となるまでのサクセスストーリーです。
さすがにもうあらすじは省きますが・・・f(^^;)
こちらもすごくおもしろい物語です!
ケインとアベルを読んだらこちらもぜひ読んで欲しいです。

ところが残念ながら過去のジェフリー・アーチャーの本は「ケインとアベル」と「100万ドルを取り返せ!」とここ数年の最近出版されたもの以外はほとんど絶版になっているのです!「(≧ロ≦)
こんなにおもしろいのになんで!?って新潮社に文句言いたいくらいです(ー_ーメ)

私の蔵書にあったはずが見当たらなくて・・・ついにアマゾンで中古本を買ってしまいました
これは中古ででも買ってもぜったいに損はない本です。
もうひとつ絶版だった「新版 大統領に知らせますか?」も買いました。こちらは大統領暗殺計画を知ったFBI長官と捜査官が主人公ですがこのときの大統領がフロレンティナなの(^u^)

最近のジェフリー・アーチャーの本は歳のせいなのか以前ほどのよさがなくなったような気がしますが、以前の本を読むとやっぱりすばらしい作家さんだなあ~とあらためて思いました。
また機会があったら別の本も手に入れて読みたいです。



WANDS
昔のCD棚を見ていてふとなつかしくて聴いてみたアルバムがWANDSの「PIECE OF MY SOUL」でした。
WANDS PIECE OF MY SOUL
WANDS PIECE OF MY SOUL

これももう17~18年も前のアルバムです
このCDを見つけて聴いてみたら、なんか・・・めちゃめちゃいいんです
どの曲聴いても「これは聴かなくていいや」っていう気を抜いて流してしまうような隙が無いっていうか。
み~んな私の好みのど真ん中なんです!

当時はこのアルバムの中に入っている曲「世界が終わるまでは・・・」を目当てに買ったと思うのですが、実はWANDSのメンバーの顔も人数もぜんぜん知らなくて。あまりバンド自体には興味なかったせいか今まで全くこのバンドがいつどうなったか知りませんでしたf(^^;)

それでWANDSについて検索してみたら、WANDSって途中でメンバー総替わりしちゃってたんですね~知らなかった!
第1期・第2期・第3期があって、人気を博したのが第2期の前半だったらしい。
私が持っていたCDは第2期の後半のもので、全盛期の一般ウケしそうな音楽から変わってきてて、音楽でもさわやかなところが抜けて退廃的な倦怠感や重さが入って、歌詞も世の不条理や破壊・あきらめ・逃亡をうたったものが多くなっているみたい。詳しい解説は専門家やファンの人がやってるので私のはただそう感じたってだけなんだけど
ボーカルの上杉昇さんがほとんど歌詞を書いていて、アイドルのような音楽から脱却したい意思があらわれてきたようです。それで音楽の方向性の意見が違ってボーカルの上杉昇とギターの柴崎浩が抜けて第2期が終わったらしい。
私としてはもう第3期の曲は聞きたくないので(だって3人のメンバーしかいなくてボーカル変わったらもうぜんぜん違うグループですよね?)あまり聴いてないです。すぐに解散しちゃったし。

とりあえず数少ないWANDSの第1期・第2期の曲を集めて最近ずっと聞いてます。
初期の曲もやっぱりいいし、第2期終わりの曲はすごくいい
上杉昇さんの声(歌い方)もだんだん変わってきてとても興味深いです。

WANDS(第2期まで)の曲で私が特に好きなのは、このアルバムでは
「世界が終わるまでは・・・」
「Secret Night」
「Foolish OK」
「Peace Of My Soul」
「Million Miles Away」
かなあ・・・ほんとは全部好きなんだけど(//∇//)
あと、このアルバム以外では
「Same Side」
「世界中の誰よりきっと」
「just a lonely boy」

だなあ。ってこんなこと書いてもわかる人ほとんどもういない気がしますが
もしもお仲間がいたらうれしいなあ



ホットワイン
ホットワイン
最後に、ちょっとまえにハマってたのが、夜寝る前のホットワインです(´ー`)
年末旅行で行った京都のカフェで飲んだホットカクテルがあまりにおいしかったので自分でもなにか出来ないかな~と思って。いちばん簡単だったのがこのホットワインでした。

赤ワインを耐熱グラスに入れてレンジで1分くらいチンして蜂蜜を小さじ1杯いれるだけ。
超簡単です。飲み残したワインを使って寝る前に一杯・・・♪
思ったほど飲みにくさもなくておいしいです(=^_^=)

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【2011/02/13 02:16】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(2) |
最近の読書
今回は最近読んだ本や観た映画について。


私の中のあなた
私の中のあなた上・下 ジョディ・ピコー ハヤカワ文庫

(πーπ)・・・・・・久しぶりの大泣き本です!
この本は一年位前に日本で公開された映画「私の中のあなた(My Sisters Keeper)」の原作本です。
近所の本屋さんでハヤカワ文庫の100冊コーナーにあったのが目に入って、そういえば映画がすごくよかったと映画通の知人に聞いたことがあったな~と思って読んでみました。


あらすじ

白血病の姉を持つアナは13歳。
アナはある日弁護士キャンベルの元を訪れ、両親を訴えたいと語った。
アナの家族は消防士の父、元弁護士の母サラ、兄のジェシー、姉ケイト、そしてアナの5人家族。
姉のケイトは2歳の時白血病を発症し、5歳まで生きられないと医者に告げられた。
母サラは体外受精で遺伝子を操作してケイトと完全に適合する遺伝子の子ども、アナを産んだ。
アナは生まれたときには臍帯血、5歳でリンパ球、以後骨髄移植、末梢血管細胞を姉ケイトの病気が再発するたびに提供してきた。
その甲斐あってケイトは今まで病気と闘いながら生き続けた。
そして今、肝臓の機能が働かなくなったケイトのために両親はアナに肝臓の提供を持ちかけた。
今まで当然のようにドナーをしてきたアナは今度ばかりはと両親を訴えることに決めたのです。

フィッツジェラルド一家はこれまですべてがケイトの病気中心だった。
兄のジェシーは自分が透明人間になったようだと思い、酒やドラックをやり、自殺未遂や連続放火をつづけた。
母サラは弁護士をやめ、ケイトにつききりになった。
父ブライアンは苦悩しつづけ、そしてアナはケイトのために産まれたのである。
そんな一家をこの裁判事件が襲い、弁護士キャンベル、訴訟後見人ジュリア、そして一家のひとりひとりがアナの人権について、家族の愛情について、自分自身について考えるようになる。
そしてとうとうアナ・弁護士キャンベルと母サラが法廷で戦うことに・・・


私の中のあなた(映画)
映画「私の中のあなた(My Sisters Keeper)」
公式HP

キャスト
サラ・フィッツジェラルド(母) キャメロン・ディアス
アナ(妹) アビゲイル・ブレスリン
ケイト(姉) ソフィア・ヴァジリーヴァ


原作本がよかったので映画もDVDを借りて見ました!
映画もすごくよかった~~~~(πーπ)グスグス!!

映画版は年齢や兄ジェシーについて、弁護士や訴訟後見人についてはほぼカットされていましたが、暗いのではなくやさしい雰囲気にあふれた作品でした!

キャメロン・ディアスは今まで私が持ってたイメージとまったく違って、地味で娘の命を最優先に守る母を完璧に演じていたと思います。アナもとてもよかったですが、私がいちばんすごい!と感動したのは姉ケイトを演じたソフィア・ヴァジリーヴァです。
白血病の役をきれいすぎずに上手く演じていたと思います。ほんとうにすばらしかった

一度だけ病院が主催するダンスパーティーに誘われたとき(お相手も白血病患者)、大騒ぎをしてドレスを選び、おしゃれをしたケイトの姿をみて父ブライアンが「こんな姿が見られるとは思わなかった」と泣く場面は原作本でも映画でももう泣かずにはいられませんでした。

この一家はそれぞれ兄妹や両親みんなお互いを愛し合っているのはひしひしと伝わるのですが、どうにもならないジレンマで危うくなってきている。そこに裁判。
そして最後の結末は・・・映画と原作本は大きく違ってました。
私は映画の結末の方が自然な気がしました。両方見た皆さんはどう思われるでしょうか・・・・・




悪人 上悪人 下
悪人 上・下 吉田修一 朝日文庫

こちらも原作・映画両方見ました。

あらすじ

出会い系サイトで知り合った祐一と光代。
さみしさと心の闇を抱えた二人は互いにかけがえの無い人となるが、
祐一は以前同じように出会いサイトで知り合っていた佳乃をトラブルから殺してしまった殺人犯だった。
それを告白し、「自首する」という祐一を光代は一緒に逃げるように促す。
二人の逃避行を追いながら祐一の生まれ育った環境や殺人にいたるいきさつ、佳乃の父、祐一の祖母についても語られる。
そして最後に2人が逃げ込んだ灯台に警察の手が迫ったとき、2人はどうするのか・・・・


映画では祐一を妻夫木聡、光代を深津絵里が演じ、モントリオール世界映画祭で深津絵里が最優秀女優賞に選ばれました。
深津絵里もよかったけど妻夫木聡もとてもよかったです!
映画はまあ暗い映画ですが、犯罪者が本当に悪人なのか、犯罪を犯していないものは悪人ではないのか?というテーマをわかりやすく作ってありました。
それにしてもま~岡田将生の演じた大学生や殺された佳乃はほんっとうに嫌なやつな描かれ方でした。映画も原作も。「重力ピエロ」のころは岡田将生けっこう好きだったんですがかなりなイメージダウンな役柄でしたf(^^;)
まそのやなヤツっぷりのおかげで上手くできあがった映画ですけどね。
ただ、映画版では祐一の背景を語りきれてなくて映画だけ観た人はこの行動や言葉の意味、わからないんじゃないかな~とも思いました。



そして、今読み途中なのはこの本。
のぼうの城 上のぼうの城 下
のぼうの城 上・下 和田 竜 小学館文庫

なんといっても表紙の絵がすてき
私の大好きな漫画家、オノ・ナツメさんのイラストなのです(´ー`)
オノ・ナツメさんといえば、以前紹介した「さらい屋五葉」が最近最終巻が発売になって、それがすごくすごくよかったんです!
その話はさておき「のぼうの城」、単行本もわりとあたらしかったはずなのに早くも文庫化されて文庫じゃないと買わない主義の私にはとってもうれしいことでした(=^_^=)
映画化されるみたいなのでそのせいなのかな?主人公は野村満斎とか。

まだ上巻の途中までですが早くもおもしろくなりそうな気配が・・・・これからがすごく楽しみです!

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【2010/10/25 01:17】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ちょっと泣いちゃった本とかショパンとか
暑中お見舞い申し上げます。

暑中見舞いH22夏
画像は今年珍しく準備した暑中見舞いはがき(うちわ型)です。
他にもいろいろはがきの絵柄はあったけれど蚊に刺されやすい私は一目でこれに決めましたf(^^;)
送った友人はこれを見たら「なんじゃこれ!」というかしら。それはそれでおもしろいかな

名古屋は毎日連日の猛暑日・・・もうげんなりですへ(×_×;)へ
連日の冷房と冷たい飲み物のおかげで胃が重いしおなか下るしで。もう勘弁してほしい~~!

名古屋の夏は特別暑い(冬も特別寒い)っていうけどほんとのところはどうなんでしょうね?
や、名古屋は暑いのはほんとですが他の地域だって暑いと思うのですが。
なにはともあれ、いいかげん落ち着いてほしいです。




さて、

ひさしぶりに(でもないけど)本の話題です。
これがけっこーよかったの。

砂漠 伊坂幸太郎 新潮文庫
砂漠 伊坂幸太郎

以前から大好きでよく本を読んでいる作家、伊坂幸太郎の文庫新刊です。
内容はたわいもない青春ものがたり。主人公とその仲間が大学入学から卒業するまでの出来事を並べていったものです。
だけど、そこはさすが伊坂幸太郎。淡々とした文章なのにやっぱり引き込まれてしまうのです。
そしてほろりと泣かされてしまうのです。

登場人物それぞれが変わった部分を持った人たち。かえって主人公「北村」がまったく普通の人であるのが目立ちます。
見境なしのナンパ男でお坊ちゃまの「鳥井」、
おとなしいけれどほんわりあたたかい雰囲気を持った女の子で超能力者の「南」、
絶世の美女でありながら無愛想な「東堂」。
そして仲間の中でもとりわけ変人なのが「西嶋」なのですが、融通のきかない理論をところ構わず声高に論じはじめてまわり中からうるさがられ、オタクっぽいと思われる外見(まったくかわいくないぬいぐるみの熊とか豚と表現されていた)であるにもかかわらず、彼のひと言ひと言があとからじわじわ効いてくるんです。
そして態度やそぶりに出さなくてもお互いに友情をとても大事にしていて。思いやりがあって。
そんな仲間たちが無意味に遊びながら、悩みながら、ぶつかったり共感したりしながら成長していくのです。


や~よかったです。淡々としているのがまたかえってよかった。
ひさしぶりにさわやかに泣ける本でした。
やっぱり伊坂幸太郎はいい~(=^_^=)




N響「夏」2010 名古屋公演
先週の休日にN響のコンサート名古屋公演に行って来ました♪

N響「夏」2010 名古屋公演
【プログラム】
ニコライ 歌劇「ウインザーの陽気な女房たち」序曲
ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調
ドヴォルザーク 交響曲第9番 ホ短調「新世界から」
アンコール 赤とんぼ(オーケストラ編曲)


指揮 マティアス・フスマン
ピアノ チョ・ソンジン
管弦楽 NHK交響楽団

愛知県芸術劇場コンサートホール


N響のコンサートは初めて行きましたが、日本を代表する楽団だけあって貫禄あるな~って思いました。
指揮者もピアノのソリストも不勉強でぜんぜん知らない人でしたがよかったです。

何と言ってもショパンのピアノ協奏曲第1番は大好きな曲で、このプログラムがあったから行ったのですが、
プログラムの解説を読むとソリストのチョ・ソンジン、驚いたことにまだ16歳の若さでした!
まあまあぽっちゃり型の体型みたいで背もあったのでけっこう貫禄あって16歳には見えませんでしたが演奏はさすがによかったです。

ショパンのピアノ協奏曲はブーニンのショパンコンクールのCDを持っているので早速聞き比べました。
ひいき目のせいかやっぱりブーニンのが迫力あるな~って思ってしまいましたが、チョ・ソンジンも早い箇所でもさすがの指使いでしたし、あまりミスタッチはなかったように思いました。
素人なのであんまりわからないんですけどね(= ^ ^ ゞ
なんにせよこうして大好きな曲を生で聞けるのはうれしいことです♪

チケット代もB席で3000円とリーズナブル♪(前回のフィルハーモニア管弦楽団の来日公演はB席で12000円でした!)おかげでクラシック好きのヨガのお友達も一緒に行ってくれました。
どうしてこんなに金額ちがうんですかね~そりゃやっぱり来日公演の方がステキでしたけど。
楽器の運搬日とか人件費とかかかるのかしら。もうちょっと安いと行きやすいのに~


ショパン 小坂裕子 音楽之友社

ショパンのピアノコンサートは今年はあと3回行く予定・・・(//∇//)
せっかくなので生誕200年のショパンについて勉強しておこうかな・・・と今はショパンの本を読んでいます。
まだ読み途中ですが・・・

ショパン 小坂裕子

ショパンはフランス人の父とポーランド人の母との間にポーランドで生まれ育ち、幼い頃から音楽的才能を持ち、とくに誰にもピアノの演奏法を教わらないままその才能を開花させます。
しかしポーランドではその才能を生かしきれなかったためウィーン、パリと移り住んで社交界で注目されるが演奏会は開か(け)ず、ピアノの教師とサロンの演奏で生計をたてていました。
この時代のショパンを含む芸術家たちの交友関係が豪華で、リストやメンデルスゾーンが仲のよい友人であったこと、ショパンはやさしくピアノを奏でるのを好み(演奏会では音が弱いと批評されていた)、リストがショパンの曲を違う解釈をして弾くとショパンは腹を立ててケンカになるなどかなかなか面白いエピソードもあっておもしろいです。
文章も読みやすいのでショパン入門にはよい本を選びました☆

ショパンの生涯の恋人、ジョルジュ・サンドの出番はこれから。
楽しみです~

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【2010/07/26 00:57】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(2) |
チェーザレ・ボルジア関連本
予定通り今回はチェーザレ・ボルジア関連本についての感想です。

はじめはやはり塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」について。

チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷

おもしろかったです~
いきおいで一回読んだだけなのでまだまだ内容を消化しきれてない段階ではあるけれど、
なんとなく塩野七生さんはチェーザレ・ボルジアがお気に入りなんだ~と感じとれました。

もともと悪評が高かったらしいこの主人公とボルジア一族。
残忍で自分の邪魔になるものは毒殺・暗殺どんな手を使っても排除するし、
欲望の赴くまま、時には妹との近親相姦の噂があったりとまあ聞く限り
悪い評判ばかり。

淡々と事実を語る調子の塩野七生さんの文書ではチェーザレの実際に行った
ことは残酷な部分として認め、ただ毒殺や近親相姦については事実はわから
ないとなってたようです。

塩野七生さんはこの時代、ロマーニャ、フィレンツェ、ヴェネツィアなどの
小国に分かれていたイタリアを自身の手で統一することを野望に持ち、
しかもそれを目指して実行した主人公チェーザレに塩野七生さんがもっとも
好き(らしい?^^)なユリウス・カエサルと比べてその行動力をかなり評価
しているようでした。

また、このルネサンスの時代、たくさんの芸術家や文化人が活躍している時代です。
作品の中にもレオナルド・ダ・ヴィンチやニッコロ・マキャベッリも登場して
まあ豪華で楽しいこと♪
この時代の芸術家たちやメディチ家について勉強してみるのもまた楽しそう(´ー`)

解説に書いてありましたが、塩野七生さんの書かれた本でチェーザレ関連では
この時代に生きた女性について書かれた「ルネサンスの女たち」があり、
その中にチェーザレの実の妹、ルクレツィア・ボルジアや他にもチェーザレに
関わった女性たちについて書かれているようなのでそれもこの次読みたいな~と
思ってるところです。

ルネサンスの女たち 塩野七生

ところで宝塚でこのチェーザレを主人公にした作品があるんですね!
私は宝塚はあんまり・・・なのでぜんぜん知りませんでしたが、宝塚好きの友人に聞いて
びっくりでした。どんなストーリーなんだろう・・・(´д`)



さて、次はマンガです。(//∇//)
チェーザレ 総領冬実

チェーザレ 総領冬実

総領冬実さんの「チェーザレ」です。
塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジア・・・」に入る前にこちらも読んで
おこうということで読みました。
以前からなんとなく気にはなっていた作品でしたがなかなか手に取ることが
なかったのでいい機会になりました♪

まあ、とにかく絵がきれいですすばらしいです!
こんなに細かく背景や建物を描いてよく連載なんか出来るな~と思いました。

総領冬実さんは学生のころから知っていたマンガ家さんでしたがかなり絵がかわりましたね~
前作の「ES(エス)」を読んだときも驚きましたが・・・それに輪をかけて丁寧に創られてます。
この作品には自分の最高傑作にするぞという妥協や手抜きなしの意気込みが感じられます。

この作品はチェーザレ・ボルジアが16歳のころから始まります。
登場人物は多いです。ピサで学生生活を送るチェーザレやメディチ家の次男ジョヴァンニ、
ここにはマキャベッリも学生として出てきます。(密偵としてだけど)
学生ではあるけれどチェーザレ父、枢機卿のロドリゴ・ボルジアのローヴェレとのローマ法王の
地位争いに自ら奔走するチェーザレ。
暗殺者に命を狙われることもあり、常に身辺には多数のスペイン系の護衛がついています。
その筆頭が「ミケロット(スペイン風にミゲルと呼んでいる)」。
後々までずっとチェーザレに忠実に仕える「ドン・ミケロット」です。

学生の間でも世界情勢そのままにスペイン系・フィレンツェ・フランス系などのグループに別れ、
それぞれチェーザレ・ジョヴァンニ・アンリなどを代表にして反目しあっている状態です。

そんな中、世間知らずゆえにチェーザレを純粋な目で見るもうひとりの主人公、
フィレンツェのアンジェロ。
アンジェロは偶然知り合ったチェーザレやミゲルに時には利用されながら、時には
敵方と疑われながらも2人の個性に惹かれ、心配そうに見守っています。

このアンジェロを通して当時の大学の様子やピサの町の勢力配置を読者に巧く説明されます。
巻末にも丁寧な説明があり、おかげでかなりこの時代の状況がわかってきてさらにおもしろくなりました。

作品中にはすでにロレンツォ・ディ・メディチやレオナルド・ダ・ヴィンチも出てきました^^
メディチ家にチェーザレが訪問した際にはロレンツォにボッティチェリの「春」を見せられるという
場面もあり、楽しいことこの上ない♪
ボッティチェリの作品もすごく丁寧に描かれていました。マンガでここまでとは・・・驚くほどです。
この漫画のおかげで塩野七生さんの本を読んでいるときにビジュアルをうまく思い浮かべることが出来ました。

この作品は現在7巻まで発売していますが、まだまだ先が長い・・・ヽ(  ̄д ̄;)ノ
これいったい何時まで続くのか、チェーザレの最後までやるのかわかりませんがぜひとも
最後まで読者としてついていきたいです。


現在のところチェーザレの青春時代を描いているこの作品、みどころがたくさんあって
かなりオススメのマンガです

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【2010/05/18 01:53】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ローマ人の物語~塩野七生~
私がここ数ヶ月くらい、ずっと読んでいるのが塩野七生さん関係の本。
とくに「ローマ人の物語」がおもしろいんです~(=^_^=)

ローマ人の物語<13>ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)

塩野七生 ローマ人の物語<13>ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)


もう2ヶ月も以前のことですが今年の3月、愛知県美術館で開催されていた「大ローマ展」に行ってきました。

愛知県美術館「大ローマ展 古代ローマ帝国の遺産-栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ-」
大ローマ展 愛知県美術館
《皇帝座像(アウグストゥス)》後1世紀中頃 ナポリ国立考古学博物館

ローマ帝国なんて、ほとんどなんの知識もない自分が大ローマ展なんかに行くことになったことの起こりは・・・ようは飲み会の席での口約束からf(^^;)
昨年12月、社内のNさんと飲んでいて、日ごろから読書の友でもあるこのNさんがやたら塩野七生の「ローマ人の物語」にハマってて、「今度愛知県美術館で大ローマ展をやるの!」とあんまりうれしそうにしてたんでついつい「じゃあ一緒に行こか」ってことに・・・

飲み席での口約束でも約束は約束。
「行くからにはおべんきょしなきゃ」ということでこれまた社内の美術や歴史本に詳しいOさんにテキストとして塩野七生さんの本をお借りして、自分でもせめてと「ローマ人の物語」のユリウス・カエサルの部分だけでも読んどこうと読み始めたのです。

大ローマ展はそこそこおもしろかったけれどまだ充分に知識をつめこんでなかったのでこんなものか~という感じ。(´ー`)
・・・でもここからが私のハマり始めでした。
塩野七生さんの著書全般とローマの歴史、特にカエサルからアウグストゥス~賢帝愚帝、歴代の皇帝たちに興味がわくわく


Oさんからお借りしたのは以下の2冊。
痛快!ローマ学 塩野七生
痛快!ローマ学 塩野七生

ローマ人への20の質問 塩野七生

ローマ人への20の質問 塩野七生

「痛快!ローマ学」はローマの始まりからアウグストゥスまでの解説。
独裁国家から始まったローマが元老院を中心とする共和制を経てカエサルによってふたたび独裁国家へと移行していくのだけれど、それがなぜなのか、ギリシャやゲルマンなどの周辺の国や民族の情勢やローマ内部の政治・宗教・文化など、わかりやすく解説してありました。
「ローマ人への20の質問」はだいたい「痛快!ローマ学」の補強といった感じでした。

これだけだとやっぱり教科書のようでなかなかのめりこめなかっただろうけれど、同時に併読していた「ローマ人の物語<8>~<13>]ユリウス・カエサル ルビコン以前・以後の計6冊を読んでいたのですんなりおもしろく読むことができました。

いままでお仕事も忙しいし、編み物や他にもやりたいこともあってこれだけ読むのになかなか遅々として長期間にわたってしまったのだけれど(以前の自分なら考えられない遅さ)読んでいるとやっぱりおもしろい♪
今はまだカエサルの部分だけだけれどこのあとのカエサルの意思を継ぐアウグストゥス、カリグラやネロなどの”悪名高き皇帝たち”、さらに五賢帝の時代まではぜひとも読み続けたいシリーズでした。
なぜ時代限定かというと全部読もうと思うと37巻(!)まであるからかなり大変なの。カエサルだけでも6巻だもの)


現在はローマ帝国のシリーズからはちょっと離れてルネッサンスの時代。
塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を読書中です。
・・・・困ったことにこれがまたおもしろくて「ローマ人の物語」もちょっと飛んじゃうくらい(//∇//)
次回はチェーザレ・ボルジア関係とルネッサンスの芸術家たちのお話します♪

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【2010/05/12 01:13】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(2) |
不滅の名作漫画1~クリスタル☆ドラゴン~
先日、本棚を買い換えてスペースが出来たため実家から以前から大好きだった漫画をもってきました。

もう昔から何度も何度も読んでいたのですが久しぶりの再読♪(^u^)

「やっぱりいい!これぞファンタジーの最高傑作だ~!」とあらためて思いました!

それがあしべゆうほの「クリスタル☆ドラゴン」です。


あしべゆうほ「クリスタル☆ドラゴン」

この本の1巻目が出たのは私が中学生のころ。
最初は次姉が買い始めたのですが、途中から私が買うようになりました。f(^^;)

物語はエリン(アイルランド)の部族間の戦いから端を発し、
邪悪なるものと契約した邪眼バラーに生まれ育った部族を滅ぼされ、復讐のため助け手を求めてブリテンからローマへと旅を重ねていく魔法使いの弟子であり戦乙女(スカルメール又はワルキューレ)でもある主人公のアリアンロッド(銀の車輪)。
アリアンロッドは風の精(シルフ)の王の助けを借りながら古詩に沿って旅立っていきます。


古き砦に闇が巣くう時
杖なき魔法使い(ドルイド)が現れる。
杖なき者は魔法を持たず 
闇は嵐を呼ぶだろう

杖なき魔法使いは 
杖を求め
天と地との境
水晶宮への道をたどる
  続きはまた後から出てくるのですが・・・


魔法の世界あり、神話の世界あり、ローマ帝国あり、ヴァイキングあり・・・なんて贅沢なファンタジーなんでしょう。
この世界設定もさることながらあしべゆうほさんの絵柄も繊細できれいだし、ストーリーもすばらしく、何よりもそれぞれのキャラクターがすごくよく立っていて敵も味方も登場人物はみんな個性的。
これ以上のファンタジー漫画はないと私は思っております。( ̄ー ̄)b

・・・でもひとつだけ欠点が。
この物語、完結してないのです。(T_T)
もう二十数年にもなる連載で、作者あしべゆうほさんもおん年齢60歳!
大丈夫かな~?もうだめかな~?とたま~~に思い出しては心配しております。

あしべゆうほさんは現在ボニータ誌で、クリスタル☆ドラゴンよりも前から連載していたライフワークともいえる「悪魔(デイモス)の花嫁」をここ一年くらいかな?再開されましたが、私としては一話読みきりの多い「悪魔(デイモス)の花嫁」よりもこちらのほうを早くやってほしい~!!と願うばかりです。

さて、私の大好きなこの漫画の主要登場人物たちをちょっと紹介させてください。

☆キャラクター紹介☆(azuの独断と偏見による( ̄+ー ̄)但し、物語の後半には言及しません)
画像はクリックすると大きくなります☆

☆アリアンロッド
アリアンロッド(銀の車輪)
主人公アリアンロッド(銀の車輪)。エリンの緑の原の一族(グリアナン・クラーナ)の生まれ。
黒髪の人がほとんどいないのエリンの中で生まれながらの黒髪を持ち、そのせいで「妖精の取替えっ子」と呼ばれ、小さいころは差別的な扱いを受けていた。
そんなころ、銀髪に水晶の鎖帷子の謎の戦士「レギオン」に出会い、「真実の名」をつけてもらう。
レギオンにドワーフ(小人)の作ったサークレットをもらったアリアンを見た一族の魔道使い(ドルイド)はアリアンロッドを弟子にと引き取る。
数年後、美しく成長したアリアンロッドだが、魔道使いの勉強よりも剣を鍛えることのほうが大好きなおてんばだった。
ある日、一族の族長(リー)の娘ヘンルーダと師匠の庵から族長の館に行くと、「邪眼バラー」率いる魔の谷(アルハ・ガワン)の一族に襲撃されているところに遭遇する。
父も族長も師匠も殺されてヘンルーダも連れ去られ、復讐のために魔の谷に向かうアリアンロッド。
ここから彼女の長い長い旅が始まります。
アリアンは気が強く、無鉄砲で猪突猛進。そして能天気。裸の場面が何度出てもまったく色気のない主人公
でも素直でいい子です(´ー`)

☆レギオン
レギオン
アリアンロッドが岐路に立つ度に現れる謎の戦士レギオン。
同時刻に別の場所に現れることもある。「ミズガルズの蛇」や妖精のおばばにも面識があり、アリアンロッドを見守るシルフ(風の精)の王とも連絡をとっている。実は生きている時間がものすごく長いらしい。
二十巻を過ぎてようやくその正体がわかってくるが、それでもまだ不明な状態。
邪眼バラーと戦う姿はとてもかっこいい
しかし、序盤では「力を封じられている身」と自分のことを言っているため封印がとけたらどうなるか・・・そこが知りたいなぁ。この物語でいちばんの謎の人物でしょう。

☆シルフ(風の精)の王
シルフ(風の精)の王
レギオンがアリアンロッドに真実の名を与えたときから常に見守っている妖精。
シルフの王の真実の名は「パラルダ」。
真実の名を知られることはその者に支配されることであるが、シルフの王は自らアリアンロッドに名を明かした。
しかし、その名は邪眼バラーとともにある邪悪なるものにも知られており、敵味方同時に命令されると破滅すると思われる。
見たところは男性だが雰囲気は性別が感じられなくて中性的。アリアンを心配する姿はまるでおかあさんのようです(^u^)

☆ヘンルーダ
ヘンルーダ
グリアナン・クラーナの族長(リー)の末娘、ヘンルーダ。
気が強く、アリアンロッドとは小さなころからケンカ友達で仲が良いわけではなかったが戦で邪眼バラーにとらわれ、そこにアリアンロッドが潜入してきてから復讐のために結託する。
バラー殺害に失敗したアリアンロッドをおびき出すために邪眼バラーの姉、女魔法使い(ドルイダス)エラータに利用される。
ユニコーンの助けでなんとか危険を乗り越えてアリアンロッドらと共にバラーを倒す助け手を求めての旅に出る。
しかし、邪眼バラーの黒い血を額に落とされ、真実の名をエラータに聞き出されてしまっていたヘンルーダは以後、たびたび魔物に身体をのっとられてしまうようになる。魔物を封印するためにアリアンロッドのサークレットをつけるが紛失と同時にさらに強い魔物を引き寄せてしまう。
旅の途中で出会ったヴァイキングの一族のソリルに奥方に望まれるが・・・。
ヘンルーダは気の毒といえば気の毒だけど、はっきりいっていちばんのトラブルメーカーでしょう。でもアリアンのことをたびたび助けることにもなります。

☆ソリル
ソリル
別名「百の傷のソリル」「狂戦士(ペルセルク)」とも呼ばれる。
ローマ人に捕らえられガレー船の漕ぎ手奴隷にされていたが、ヴァイキングに助けられ、その船で出会った旅の途中のアリアンロッドたちをヴァイキングの村に連れ帰る。
アリアンロッドの戦士としての素質を見抜いて「戦乙女(スカルメール)」として戦い方を教える。
また、ヘンルーダを妻に迎えようとするが、そのころヘンルーダは魔物に身体を乗っ取られてしまう。
アリアンとヘンルーダが村から旅立つときに後を追おうとするが・・・
ソリルは度々魔物に操られてしまう困ったヘンルーダをひたすら追いかける、本命には一途なヤツ。
しかし天性の女好きの酒好きで要領がいいヤツでもある。

☆邪眼バラー
邪眼バラー
圧倒的な邪悪なパワーを見せつけ、まわり中に恐れられる存在の「邪眼バラー」。
「邪眼」の由来は・・・
深淵の谷(ドームニュー・ガワン)の一族で族長の跡目争いの最中、誰よりも族長としての素質を持ち合わせていたバラーだったが年若かったための無力さに歯噛みしていた。
そのとき、女魔法使い(ドルイダス)としての修行を終えて戻った姉の「エラータ」の力を借りて片目を代償に邪悪なるものと取引をして族長となる力を手に入れた。
邪眼となったバラーはその後各地の部族を襲い、制圧していつしか魔の谷(アルハ・ガワン)の一族と呼ばれるようになった。
しかし、時が経つとともにバラーの内なる悪が力をもち、魔の谷にどんどん異変が起こるようになっていく。
復讐のため魔の谷に潜入したアリアンロッドになにがしかの関係の存在を感じ取り、以後アリアンロッドを追跡するよう腹心の部下であるグリフィスに命じる。
 最初は悪の権現だったバラーだけど、読んでいくうちにいちばん魅力ある存在になってしまいました彼自身の魅力がほんとうにすばらしい。これから内なる悪と自分自身がどう戦うのか、アリアンロッドとはどんな関係になっていくのか、興味津々な人物です。


☆グリフィス
グリフィス
バラーの腹心の部下。忠誠心に篤く、義理堅い。
赤毛のおかっぱがトレードマーク。
容姿、馬の扱い、御者、狩り、鞭や剣の腕すべてにおいて郡を抜いた能力を持っている。
バラーの命令でアリアンロッドを追跡する旅に出るが、この義理堅い性格のためついついアリアンロッドに協力するはめにもなってしまう。
私が見たところこの物語の中でいちばんの苦労人です。



かなり長くなってしまいましたいつものことですみません。(= ^ ^ ゞ

クリスタル☆ドラゴンは秋田書店からボニータコミックスで今のところ25巻まで出ています。
ちゃんと終わるのかどうか不安ですが、今までのところだけでもすばらしい物語です。
azuが太鼓判を押してオススメできるファンタジー漫画なのです
興味があったらぜひぜひ読んでください~

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【2009/12/23 00:00】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(1) |
オペラ座の怪人レポート
先月観に行った劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」。
これにハマったお話は前に書いたんですが、あれからもずっとオペラ座の怪人関係の本やCDなど集め、その魅力的な世界に浸っておりました・・・(//∇//)

そこで性懲りもなくまたいろいろと観たり聞いたり読んだりしたオペラ座の怪人関係話をレポートします。
何度もくどいですが、もうある程度まで来てしまったのでこれが最後でしょう・・・多分。(’-’*) フ・・・

あっ、私がハマったのは「オペラ座の怪人」であって劇団四季ではないのであしからず


というわけで、↓以下がハマってから私が制覇したオペラ座の怪人関係のCDや本などです。
それぞれの比較やウンチクやなんかは一番下で

 DVD オペラ座の怪人 2004年映画
CD オペラ座の怪人 サウンドトラック
製作 アンドリュー・ロイド・ウエーバー
怪人 ジェラルド・バトラー
クリスティーヌ エミー・ロッサム

オペラ座の怪人サントラ完全版
いちばん最近の映画版の「オペラ座の怪人」。
アンドリュー・ロイド・ウエーバーのミュージカルをそのままミュージカル映画として製作されたものです。
私が今まで見た中でもっとも情熱的な恋の物語となっているなと感じました。
すべてにおいて文句なしのすばらしい出来でした!
詳しくはで。


CD 劇団四季ミュージカル オペラ座の怪人 ロングラン・キャスト 1991
怪人 山口裕一郎
クリスティーヌ 鈴木京子 

私が初めて観た劇団四季の「オペラ座の怪人」に出演していた山口裕一郎”怪人”のCD版です。ラウルに石丸幹二。
複数の怪人の歌声を聴いた中でやっぱり山口”怪人”の声がいちばん好きです
他の人よりも高音にのびがあって思わずうっとりしてしまう気高さと色気のある声のような気がします。
鈴木”クリスティーヌ”は清純な雰囲気があるもののちょっと力弱い。高音になるとなんだか苦しそうに聞こえました。総合して山口ファンなら大満足の一枚。

CD 劇団四季ミュージカル オペラ座の怪人 ロングラン10周年記念キャスト 1999
怪人 今井清隆
クリスティーヌ 井科瑠美

劇団四季版のオペラ座の怪人のロングラン10周年記念盤。ロングラン・キャスト版との比較用として聴いてみました。
こちらはクリスティーヌの声の声量と感情表現がすごくゆたか。18歳くらいのクリスティーヌにしてはちょっと色っぽいかな。こちらの今井”怪人”は山口”怪人”よりも低音で力づよく感じました。総合して聴きごたえがあります。

CD ミュージカル オペラ座の怪人 ロンドンオリジナル・キャスト
怪人 マイケル・クロフォード
クリスティーヌ サラ・ブライトマン

The PHANTOM of the OPERA ロンドンオリジナルキャスト
本家本元のロンドン初演オリジナルキャストのミュージカル「オペラ座の怪人」。
サラ・ブライトマンにはなんの文句もつけられません。だって当時妻だった彼女のためにウエーバーが作ったミュージカルなのだから!1曲として聞き逃せない曲ばかりです。
演奏もサブキャストもみんなすばらしいです!
・・・ひとつだけ難点はクロフォード”怪人”・・・
好みが分かれるところなんでしょうが、私には曲によってはおっちゃんの声に聞こえました。色気はほとんど感じなかった。ウエーバーの怪人のイメージがこうなんでしょうか。
実際このときクロフォードは40代半ばのはず・・・他の”怪人”に比べると10歳以上はトシなんですよね~(ちなみにサラ・ブライトマンは25歳くらいのはず)
でも通して聴いていると違和感も気にならなくなり、歌や物語に惹き込まれていきます。やっぱり基本中の基本だけあってすばらしかったです

 サラ・ブライトマン ベストセレクション
オペラ座の怪人 (クリスティーヌ) サラ・ブライトマン (怪人) マイケル・クロフォード
ミュージック・オブ・ザナイト     サラ・ブライトマン
オール・アイ・アスク・オブ・ユー  (クリスティーヌ) サラ・ブライトマン (ラウル) クリフ・リチャード
ウィッシング・ユー・ワー・サムハウ・アゲイン サラ・ブライトマン

サラ・ブライトマン Best Selection
このCDに入っているオペラ座の怪人の曲は上の4曲です。
解説は前々回の更新で紹介したのであまり言うことないですがひとつだけ。
「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」という怪人がクリスティーヌを自分の住処に連れてきた時にクリスティーヌに歌う曲があるのですが、この怪人が歌う曲をサラ・ブライトマンがカヴァーしたのが入っているんです。これ、すごくいいです~
あと、全体とおしてクラシックが苦手でもぜんぜんOKな曲ばかり。サラの初期のすばらしい歌声に酔いしれることができる一枚です。絶対買って損なし!

ガストン・ルルー オペラ座の怪人 
(長島良三訳) 角川文庫

ガストン・ルルー オペラ座の怪人
さて、何作もの映画やミュージカル、果てはこれを下敷きに小説にいたるまで作られ続けてきた「オペラ座の怪人」の原作本です。
昔の原作本はすごく読みにくかったそうですが、これは新しめの平成12年に発行された訳本で、わかりやすいとのレビューが多かったのでこれを読みました。
おもしろかったです!すごく。
ミュージカル版では登場人物を極力減らして舞台劇に仕上げてあるので原作の重要人物がミュージカルにはでてなかったり、マダム・ジリーのように”客室案内係”の”ジリおばさん”から大出世している人がいたり。比較して読むのが楽しいです。
そして怪人の名前が出てくるんです!「エリック」なの。(´ー`)
指輪のやりとりや、クリスティーヌの生い立ち、ラウルの家族・家柄についてなど違う部分が多々あります。
でもそれはそれでどちらがいいというのでなく、それぞれにすばらしい作品だと思います。
ラストでエリックがペルシャ人に告白する部分は泣けました。
多分普通に読んでいればそこまで感情移入することはなかったのでしょうが、ミュージカルや映画版を観ていた分気持ちをこめて読むことができました。
原作とミュージカルの両方見れば相乗効果でさらにおもしろくなりますよ!

スーザン・ケイ ファントム 上・下 
(北條元子訳) 扶桑社ミステリー文庫

スーザン・ケイ ファントム(上・下)
じつはまだ読み途中なのですが・・・もうあとすこしなんだけど
こちらは原作本で語られなかった部分を補うようにして作られたエリックの生涯の物語。
もちろん作者は原作者ではないのでこれが正しいというのではないのですが、原作にある回想や過去を語った部分をつなぎあわせてうまいことつじつまが合うように作られているのでなかなかおもしろいです。文章も読みやすいです。(実際、ミュージカルの方がつじつまが合わないことが多いのですが。ま、舞台はそういうことを観るものじゃないのでなんの遜色にもなりませんけどね。)
母親との確執や、ペルシャ人(ナーディル)との出会い、オペラ座に住み着くようになったいきさつ、クリスティーヌとの出会いなどが語られています。エリックの高慢な性格や感情的になると我を忘れてしまうところがあるところなど、なぜそんなふうになってしまったのか、多分どうして死ぬのかも(こっから先はこれから読むのでわかんないけど)。
原作とは違うことを割り切って読むとおもしろい本です。


さて、ここからさらに詳しくは「続きを読む」クリック!
ネタばらしあるのでこれから観よう、読もうという人は要注意です!
続きを読む

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【2009/10/20 00:40】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(2) |
オペラ座の怪人と摩天楼の怪人
オペラ座の怪人

昨日、劇団四季の「オペラ座の怪人」を見てきました!
オペラ座の怪人 名古屋ミュージカルシアター

今、名古屋にあるミュージカルシアターで公演をやっているんです♪友人が「四季の会」の会員で誘ってもらったので行ってきました(=^_^=)
土曜日のせいもあって開場前からもう入り口にたくさんの人がいました!
今年の12月13日で5000回記念公演なんですって!(゜ロ゜) やっぱり人気があるんですねぇ~

実はオペラ座の怪人を見るのはもう3回目・・・(//∇//)
最初に観に行ったのはまだ名古屋にミュージカル劇場がなかった頃で20年ぐらい前かなあ・・・(遠い目)
その時初めて見た「オペラ座の怪人」はすっごく衝撃的で、とにかく「怪人」がムチャムチャかっこよかった~
何の前知識もなしに観に行ったのでキャストなんかはぜんぜん知りませんでしたが、後から聞いたところによるとその時の怪人役は山口裕一郎さん!背が高くてスリムで足が長くて・・・もううっとりでした。もちろん舞台そのものもとてもよかった!

2度目はイギリスへ旅行で行ったときにミュージカル観劇のオプショナルがあったので、英語だけど内容を知ってる「オペラ座の怪人」ならわかるから見よう!と意気込んで観にいきました。何しろ俳優がイギリス人!かっこいいだろうな~o(*^^*)oわくわく
・・・ところが、ファントム役がメタボぎみで・・・ぜんぜんかっこよくなかったイギリス人なのに~ファントムは一番かっこいい人が演るもんだと思っていたのでショックでした。

そして今回・・・キャストは
ファントム(怪人)村 俊英、クリスティーヌ:笠松 はる
でした。
私は劇団四季の役者さんも知らないし、予備知識全くナシでぜんぜん知らない方でしたが、キャスト表のところで近くにいた人が「村さんがファントムだよ!歌うまいよ~」と言っていたのを耳にして期待してさあ開幕!


そして・・・やっぱり歌がよかったです!最後の場面は泣けそうでした(πーπ)
・・・カッコイイかというとう~ん、身長が足りないかな~なんて。ファンの方ごめんなさい
最初に観た20年前の印象が強すぎてどうしても比べてしまうf(^^;)
でも舞台はどれも良かったですよ


劇団四季 オペラ座の怪人 プロモーションビデオ
動画の貼り方しらないのでリンク貼り付けましたf(^^;)




摩天楼の怪人 島田荘司

摩天楼の怪人
摩天楼の怪人 島田荘司

すいません・・・「怪人」つながりで(= ^ ^ ゞ

今回「オペラ座の怪人」を見たせいで少し前に読んだこの本を思い出しました。
島田荘司の”御手洗潔”シリーズは大大だい好きな小説なのです

このエキセントリックな名探偵の御手洗潔が、ニューヨークで助教授をしていた若い頃のお話。
マンハッタンの高層アパートに数十年にわたって起こった不可解な連続殺人。その鍵を握る老齢の大舞台女優が御手洗に謎を残して病死するところから始まります。
彼女には若い頃から舞台女優として成功するためにライバルたちや邪魔な関係者から守ってくれる
「ファントム」という後援者がいた。
彼女は成功し、成功した舞台俳優が多く入居しているこの高層アパートに入った。この高層アパートで怪事件が何度も起こり、彼女のライバルたちが殺されていくため、彼女に疑いがかかるが決定的な証拠はなく、とうとう迷宮入りしていまう。また、たびたび謎の怪人の姿が目撃されるようになる。

あまりにお話が入り組んできてしまうのであらすじの説明はこのくらいしかできませんが、このマンハッタンの超高級高層アパートから彼女がファントムによって眠らされ、真夜中に川を小船にのってすばらしい公園の庭園をゆっくりめぐり、あたりには一面にろうそくの炎がゆらめいている場面が「オペラ座の怪人」を下敷きにしていること彷彿とさせます。
ここには「ラウル」のような怪人の恋のライバルは出てきませんが(´ー`)
また、ファントムが才能ある建築家であること、舞台女優に恋をし、かげながら助け、人に絶望して人殺しをも厭わなくなってしまうところもにているかなぁ。

島田荘司の御手洗潔シリーズでは探偵ご本人よりもその犯罪や謎の背景の描写にかなりページを割くのがパターンなのですがそこがまた魅力でもあります。
そして何よりも御手洗潔の言葉のひとつひとつ、あまりにも世間一般の人とは考え方が違っていて、それこそが真実であるのに、他者には気の狂った人の行動のように見られてしまうところがとっても大好きなんです
興味のある方はぜひ御手洗潔シリーズを最初から読んでみて欲しいです(⌒▽⌒)





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【2009/09/27 23:56】 | 本の話 | トラックバック(1) | コメント(4) |
最近読んだ本~2009夏
今回は最近読んだ本などのご紹介です。

ミーナの行進 小川洋子

ミーナの行進

映画化もされた「博士の愛した数式」の作者、小川洋子の文庫最新刊です。
私が小川洋子さんを知ったのがやはり「博士の愛した数式」で、その文章の静かな美しさ、淡々としていてそれでもじんとくる内容にすっかり魅了されました。
それ以来、「沈黙博物館」や「薬指の標本」など何冊か小川洋子さんの作品を読みました。この作者の持つ独特の世界観があって不思議であることも当たり前に思わせてしまう文章にすごく惹きつけられます。
この「ミーナの行進」は主人公の中学生 朋子が家庭の事情で母親と別れ、一時的に母の妹一家《ドイツ人の祖母・ハーフの父・息子(留学中)・娘(ミーナ)》に預けられたことから始まり、芦屋での生活を淡々と描いていきます。
カバの「ポチ子」の背中に乗って通学する(!)喘息もちのミーナとの友情や、無口でタバコやお酒を飲む叔母、ドイツを懐かしんでいるローザおばあさん、魅力的な笑顔や会話で皆をしあわせにする存在なのになぜかたびたび帰ってこない日が続く叔父さんたちの家族関係、幼い初恋の顛末など、ひとつひとつの小さな出来事をあたたかみがあってすばらしい寺田順三さんの表紙とたくさんのカラー挿絵とともに描かれ、微笑ましくもあったり、せつなくなったりしながら読み進みました。
ひとりひとりの登場人物はとても魅力的でお互いに思いやっている姿にほんわかとした気もちにさせてくれる作品でした。第四十二回谷崎潤一郎賞受賞作品。


終末のフール 伊坂幸太郎

終末のフール

最近ではすっかり大人気作家になってしまった伊坂幸太郎の文庫本最新刊です。
以前にもご紹介しましたが、私、伊坂幸太郎の作品が大・大・だ~い好きなのです!(//∇//)
この本も本屋さんで見つけたときは即買いました!
すごくよかったです~!泣けました!

物語は章ごとに主人公が変わるオムニバス形式ですが舞台は同じ時間・同じ町です。
それぞれが少しずつ関係してたりします。
8年後に小惑星が地球に衝突して人類が滅亡する―!
という予告がされ、どうやら本当だとわかった人々が混乱し、パニックにおちいり、絶望し、自殺し、食料などを奪い合い、殺し合い・・・そんな日々がやっと落ち着きを見せてきた5年後の世界を描いています。
余命3年となった町の住人たちが残りの人生をどう過ごしていくのか、
○今まで妻や息子を馬鹿扱いをし続けていたが息子を亡くし、娘とは絶縁状態になってしまった父は、終末を迎えてどうすべきか・・・(終末のフール)
○生来何事にも優柔不断である富士夫。妻の美咲に今まであきらめていた子供を余命3年の状態で妊娠したと告げられて―(太陽のシール)
○終末の騒動で両親を亡くした女優断念した「わたし」は、毎日1人暮らしのおばあちゃんのところへ「孫娘」なりに、また、同じマンションの亜美ちゃんの家では「お姉ちゃん」になり、小さな兄妹の元へは「お母さん」になりに、また「恋人」になりに・・・と擬似家族を作り出していたが―(演劇のオール)
など、魅力的な8編のストーリーがつながっていきます。
「余命」を決められた状態で混乱の世界を生き残った、ある意味前向きな人たちが生きていく意味を考える・・・自分だったらどうするだろう?と考えないではいられない作品でした。
まだ読んでない方はぜひぜひ読んでみてください!すばらしい作品です!

誇りと復讐(上・下) ジェフリー・アーチャー

誇りと復讐

もう20年来読み続けている大御所のイギリス人作家ジェフリー・アーチャーの文庫本最新刊です。
ジェフリー・アーチャーは政治家となるが投資事業に失敗し、財産を失い政界も退くがその経験を元にした作品「100万ドルをとりかえせ!」(詐欺に会い、株で財産を失った4人が協力して100万ドルを奪い返す物語)で大当たりして財産を取り戻し、その後「ケインとアベル」「ロスノフスキ家の娘」「大統領に知らせますか?」と自分の経験を生かした政治や商売などのサクセスストーリーで立て続けにヒット作品を出し、一流作家となった。また、政治家として復帰するがスキャンダルでまた引退。
そして偽証罪で投獄されるが、またしても刑務所内の経験を生かした「獄中記」や「プリズンストーリーズ」を出している。物語のような波乱万丈な人生を送っている作家なのです。
彼が「ころんでもタダでは起きない作家」であると「誇りと復讐」の解説に書かれていました。(* ̄m ̄)

さて、「誇りと復讐」は解説で現代版「モンテ・クリスト伯」である。といわれているように、無実の罪で投獄された主人公が自分を陥れた人たちに復讐を誓う物語です。
正直、ちょっと出来すぎでないの~!?というところがストーリーの根底に当たる部分にも見えておりましたがそこはやっぱり天下のアーチャー。ぐいぐいと読者をストーリーに引き込んでどうやってこの復讐を成し遂げるのか。わくわくしながら読むことができます。
また、服役中の主人公の舞台となる刑務所内の様子やしきたりなども何と言っても経験者のアーチャーならではの細かい要素がちりばめられ、その部分でも楽しむことが出来ました。

最近アーチャーの本ですばらしい作品なのに廃刊となっているものが多いようで、残念がるファンも少なからずいるそうです。
私は以前からアーチャーのほとんどの文庫本は永久保存版でとってあるのでよかった~(=^_^=)
また最初から全部読み返してみたいな~と思っている今日このごろです。

ところで。「モンテ・クリスト伯(アレクサンドル・デュマ著)全7巻」も読んでみたいとは思っているのですが・・・アマゾンのレビューでも評価が高いし。でも長いからちょっと躊躇してます
読んでみるべきでしょうか?だれか読んだことのある方いますか?

ちはやふる 末次由紀

ちはやふる

いつも本屋で見かけて読んでみたいな~と思っていた「ちはやふる」。やっと読みました!
この作品は現在5巻まで出ており、まだまだ続いてます。2009年の全国書店員・マンガ読みが選んだマンガ大賞受賞作品です。作者は末次由紀。初めて読む漫画家さんでした。

物語は端的に言っちゃって「スポ根」もの。
スポ根といっても種目はなんと「競技かるた」!
競技かるたといえばお正月とかにテレビニュースでちらっと見るだけで百人一首をやってることしか知りませんでした。
でもこの作品でそれがどんなに知力体力の限りをつくして戦う競技であるか知りました!すごい世界ですよ。まったく!全く知らなかったかるたのルールを知るのも楽しいです。

主人公「千早」は元気なだけがとりえの小学生。お姉ちゃんがモデルとして活躍するのが自慢でいつもお姉ちゃんの応援をしていました。
そんなある日、転校生の「新(あらた)」にかるたの勝負を持ちかけられ惨敗します。
それもそのはず、新はかるたの名人綿谷の孫であり、名人直伝のかるたの名手でした。
新の夢はかるたの世界一(日本一)になること。初めて悔しい思いをした千早だったが新の夢に感銘を受けて自分もかるたクィーンを目指すことになった。初めて自分自身の目標を持った千早。
そんな千早の幼なじみの「太一」。太一は成績も運動もなんでもいちばんになるように教育されて育ったが、かるた勝負で新に負け、ライバル心を燃やしていた。しかしいつの間にか千早を通して3人は競技かるたを目指す友情で結ばれることになる。
中学に入ると同時にバラバラになった3人が高校入学してまたふたたび競技かるたを目指して出会うことになって・・・・というおハナシ。私がテキトーに書いたあらすじなので間違っていてもお許しください(= ^ ^ ゞ  

主人公千早がこの競技かるたを続けていく上で、高校に同好会を作ろうとするが、そのために必要な5人以上の部員を作るためにスカウトしたのがまずは呉服屋の娘かなちゃん。かなちゃんは和装がしたくてクラブを選ぶが、かるたの練習のあまりのスポ根ぶり・・・しかも体操着!にいったんは引くが、百人一首のうたの意味を今まで考えたことがなかった千早が夢中になって歌の意味を質問するのにほだされて入部。このマンガのなかで場面場面の気持ちや風景を和歌で表現してくれるいろどりの重要な役割のようです。
そして子供の頃かるたのライバルだった「肉まんくん」とガリ勉の「机くん」、そして幼なじみ太一の5人のチームでお互いに切磋琢磨しあいながら全国大会を目指していきます。
太一は千早に恋心を抱いているが、千早の関心はかるたと福井へ行ってしまった新のことばかり。
ありがちな展開ですがスポ根ものは単純に上達を目指し、恋も単純でないと(笑)
続々と上手い選手が登場してくる中、現在5巻ではついに競技かるたの全国クィーンが登場。いままでの人たちとは比べ物にならない強さをみせました。クィーンのキャラクターもかなり強烈。
クィーンに完膚無きまで叩きのめされた千早がここからどう這い上がっていくのか・・・以下続刊です。

久しぶりのスポ根マンガ。とてもおもしろかったです!誰が読んでも楽しめる作品でした。
それにしても主要登場人物が3人とも美男美女である必要はないのでは・・・?と思ったのは私だけでしょうか(¬ー¬)


坂道のアポロン 小玉ユキ

坂道のアポロン

これも書店で見かけて気になっていた作品。
小玉ユキの「坂道のアポロン」です。
小玉ユキの作品では「羽衣ミシン」を最初に読みましたが、内容は現代版「鶴の恩返し」(笑)
主人公に助けられた白鳥(鶴でなく)が主人公に恋をして人間の姿になって訪れるというものでした。
筋立ては単純でおもしろいものでしたが、小玉ユキさんのあっさりした絵柄がすごく素敵で、ちょこちょこ入るギャグ的要素にも楽しませてもらいました。

その小玉ユキさんの作品でいま非常に人気があるという「坂道のアポロン」、期待しないわけありませんよ!
物語は昭和の時代、携帯どころかCDもない、もっとずっと前の頃の物語。
父親の仕事の都合で九州の親戚の家から学校へ通うことになった主人公「かおる」。
かおるは成績は良かったが点々と引越し・転校をしているうちに緊張から吐き気に襲われるようになっていた。唯一屋上にいるときだけがなんとか平常心を取り戻すことができることから屋上へ行こうとするがそこで札付きの不良「千太郎」に出会う。
最初は牽制しあっていたかおると千太郎だったが、思いがけず千太郎の態度とは裏腹な思いやりに触れて、またピアノが好きなかおるに千太郎がドラムをするジャズバンドでセッションをするようになって二人の友情は急速に深まっていった。かおるの吐き気も千太郎と付き合ううちに治まっていった。
ジャズバンドの練習場のあるレコード店は千太郎の幼なじみ「リツコ」の家であった。
リツコに一目ぼれのかおるはリツコが千太郎を好きなことを知る。
千太郎はそんなリツコの気持ちには気づかずに、ある日不良に絡まれているのを助けた百合香に一目ぼれをする。百合香は千太郎のジャズ仲間「淳兄ちゃん」に惹かれていく。
かおるは恋敵の千太郎の応援をするが、結局リツコに振られてしまう。
そんな中、落ち込んだかおるに父親から幼い頃離婚した母親が東京にいることを知らされる。
母親に会いに行くかおるに心配から無理やりついてきてしまう千太郎。かおるは最初は腹を立てるがやがて深く感謝をする。
母親に会ったかおるは―?
それぞれの恋の行方は―?
といったところでしょうか。

ケンカを繰り返しながら、千太郎の過去がわかり、かおるの親戚からの冷たく扱われているわけなどが知られるようになり、お互いの友情を深めていくかおると千太郎。
その間にいるリツコの切ない気持ちがつたわって来ます。
時代背景からも純粋な気持ちが表現されているよう。

どこかなつかしくて、しみじみ、ほのぼの読める作品でした。
このあっさりとした絵柄もやっぱり好きです最近4巻が出たところです。



小説を読むことは私にとっては永遠に続く趣味のひとつではありますが、
このごろマンガを読むのが楽しくなってきました
第3次マンガマイブーム!?ってな感じです。
(ちなみに一次ブームは高校時代、二次は二十代半ばごろ。)
なぜかって・・それは今会社ではマンガのハナシが出来る同僚がいるからなのです!
や~うれしいもんですね。好きな趣味の話ができる仲間がいるのは。貸し借りしたり。
今まで友人たちはどちらかというと本もマンガも読むは読むけど反応がクールで、すぐ夢中になる私とは温度差がかなりあるし。
今回は自分だけ夢中になりすぎて失敗しないように戒めなくちゃ。f(^^;)
それでは、またオススメ本があったら紹介します~

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【2009/08/17 00:03】 | 本の話 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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